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本気になんかならない

第36章 夜は恋蛍

だけどそんなこと、あるわけない。
誘われたメールにも、そんな雰囲気はまるでなかったんだから。

マイナス思考は私の悪い癖だわ。
うつむく者に女神は微笑まないっていうじゃない。

きっと、私が彼女といたから、気をつかわせてしまったのよ。

きっと、そうよ。

深紅の水面が揺れるグラスを見つめ、私は席から立ちあがった。

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