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本気になんかならない

第36章 夜は恋蛍

「愛してる」って言ってくれたから、私はそれが最後だなんて思ってなかった。
あの日以来、呼んでも断るばかりの彼。

どうしたっていうんだろう。。


もっちーから彼の試合があると聞いて、向かった武道館。
みんな同じようなハカマ姿なのに、ピンと背を伸ばして凛々しい彼は、すぐに見つかった。

同じくハカマ姿をした可愛い女のコが彼と喋っていて、何かを食べさせていて…。

そっか。。

私の恐れていたことが、現実になってしまったのね。

同世代の彼女ができたんだ。
何もかもが、お似あい…ね…。

彼をつなぎとめることなんて、できはしないから
追いかけたりなんてしない。

家を引きはらうと同時に、キレイさっぱり。
私は彼に教えないまま、携帯の番号も変更した。

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