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本気になんかならない

第43章 扉

「そうね、私の間違いだった。和君も恵もを、欺いてたことになるものね。でもね、

今の私と初めて出会ったなら、好きになんかならなくない?
和君はいくらでも若いコとつきあえるのよ?
なにも10も年上でバツイチ子持ちの、元カノの姉を選ばなくてもいいのよ?

兄だって、反対したことには反省してるみたいだけど、私たちのことを認めてるわけじゃないのよ」

…仮に俺が世間の少数派だったとしても、俺のなかでは全会一致で北里を想ってる。

「俺は若いコとかじゃなく、好きな人と…北里と一緒にいたいと思う。
誰がどう意見しようが、関係ない。俺の心なんだから。

北里の心は、俺と一緒にいたい?」

嫌われてるならしかたないと思う。
だけど、そうじゃないなら、もう俺から逃げないでほしい。

1組、2組とお客様が増えてきた店内で声を落として、彼女の返事を待った。

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