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本気になんかならない

第43章 扉

「今日は本当にありがとう、和君。助かったわ。
紗波も気持ちよさげに眠ってる。
お姫様の夢を見れそうだって」

「それはよかった。
あの家は年内に引きはらおう。
引っこしも手伝うよ。

で、ここはホテルじゃないから、廊下でも部屋着でいいよ?」

「ありがとう、そうさせてもらうね。
これは私、すっかり忘れてたんだけど、大家さんに挨拶しなきゃと思って。

和君の親戚なんだよね?ここにお住まいなの?
遅いから明日、あらためたほうがいいかしら?」

ああ、大家さん…。

「それだったら。この家のことは、俺と白峯が任されてるから大丈夫。気楽に過ごして。
登記上の持ち主は年末に帰ってくるし、挨拶はそのときでいいよ…。
てか、北里も知ってる、帆澄だよ」

「ええ?この家、帆澄君のなの?」

「そう。だから、気兼ねは少しもいらない」

帆澄にはメールで一文送っておけば、女子の同居人なんて冷やかししか言わないさ。
男だったら何歳であっても、猛反対してくるだろうけどね。シスコンだから。

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