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本気になんかならない

第6章 最後の夜

そしてマスターからの、ケーキと紅茶が運ばれる。

「口のなかは切れてない?」

「大丈夫、切れてない。ご心配ありがとう」

「よかった」

「北里。誕生日おめでとう」

俺を気遣ってくれる優しい北里に、いったんはポケットに手を入れたけど。
今もこちらを、チラチラ見ている女性との会話を思いだして、俺はそれをつかまずに手を抜いた。

そして向かうのは、北里のワンルームマンション。

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