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take a breather

第21章 Be with you

俺、大野智。中学3年、バドミントン部所属

中学最後の大会で、全国大会出場という好成績を修めた俺に
夏休み明け、スポーツに力を入れている高校から推薦入学の話が舞い込んできた

バドミントンに強い思い入れがある訳じゃなく
たまたま入ったバドミントン部で
たまたま強くなったってだけ…

でも、勉強の苦手な俺は
入試を受けずに高校に行けるという理由だけで、この高校に入る事を検討し始めた

バドミントンを続けるだけで高校に入れてもらえるなんて
こんなありがたい話、断る必要ないもんな

そんな単純な理由…

入学をほぼ決めたとはいえ
返事をする前に、どんな人たちがいるのか念の為見ておこうと
秋の新人戦を観に行った

そこでダブルスの試合をしていたあの人…

無駄のない動き

バドミントンでは重要なことだけど
感覚的に動く俺に対し
彼の動きは、完全に相手を見てシャトルの来る場所を読んでる

すげぇカッコいい…そして綺麗だ

でも、勿体ねぇなぁ…

ペアを組んでる人は運動神経はメチャメチャ良さそう

スマッシュは強いし、足も早い

でも、それに頼り切ってて
相手の動きどころか、自分のペアである彼の動きも見えていない

一見強そうに見えるけど
これじゃあ、勝ち進むのは難しいだろうな

あの人ひとりでコートの3分の2以上を守ってるようなものだ

案の定、彼のペアは3回戦で敗退した

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