take a breather
第21章 Be with you
無表情で、コート内に落ちたシャトルを見つめ、立ち尽くす
悔しいんだろうな…
対戦相手とめちゃくちゃ力の差があった訳じゃない
どこかで一本決めていれば勝ててた試合
だからこそ、パートナーがあの人じゃなければ確実に勝ててた
パートナーが彼に近付き頭を下げる
きっと負けたのは自分のせいだと謝ってるんだろう
そんなパートナーに対し、静かに微笑み首を横に振る彼
そんな彼から目が離せず
コートから出て行く彼の姿を見つめいると
ポンと肩を叩かれた
「よっ!智」
「なんだ、ニノも来てたのか」
振り向くと、そこには俺のパートナー
『ニノ』こと二宮和也が立っていた
「そりゃあね、自分が入る所がどんな感じなのか見ておきたいじゃん」
俺とペアを組んでいたニノにも、勿論推薦入学の話は来たわけで
ニノは早々に入学の意思を高校に伝えていた
「どう思った?あの人たち」
ニノが見てる視線の先にいるのは
さっき負けたあのふたりだ
「ん…勿体ねぇなぁって思った…」
「ふふっ、だよねぇ…
高校行っても智とペアでいいかな、って思ってたけどさ
あの、力加減馬鹿男先輩…鍛え甲斐がありそう」
「力加減馬鹿男って…
お前、先輩だぞっ⁉︎」
「だって思わなかった?
あんななり振り構わず動き回って
ラケット振り回して
無駄な動きが多すぎ…
でも、相当なパワーと反射神経はあるから
鍛えればかなり強くなる」
ニノがその先輩を見つめたままニヤッと笑った
あぁ…出たよ…
コート内の悪魔…
俺とペアを組むまで
どれだけの部員が泣かされたことか
俺は中学に入ってからだけど
ニノは小学生の時からバドミントンをやっていた
経験のある一年生は入部早々、試合形式の練習に参加させて貰える
そしてニノとペアを組んだ奴は
ニノの毒舌指示に耐えられず
試合が終わると『もう二度と二宮とは組まない』という奴が続出した
そんなニノが俺を見つけたのは
3年生の先輩たちが引退した後…
未経験の俺たちもようやくコートに立たせて貰えるようになった時だった
『へぇ…思わぬ所に逸材がいたな…
これからもよろしくな、大野くん』
その時のニノは、今と同じような笑顔で俺に話掛けたんだ
悔しいんだろうな…
対戦相手とめちゃくちゃ力の差があった訳じゃない
どこかで一本決めていれば勝ててた試合
だからこそ、パートナーがあの人じゃなければ確実に勝ててた
パートナーが彼に近付き頭を下げる
きっと負けたのは自分のせいだと謝ってるんだろう
そんなパートナーに対し、静かに微笑み首を横に振る彼
そんな彼から目が離せず
コートから出て行く彼の姿を見つめいると
ポンと肩を叩かれた
「よっ!智」
「なんだ、ニノも来てたのか」
振り向くと、そこには俺のパートナー
『ニノ』こと二宮和也が立っていた
「そりゃあね、自分が入る所がどんな感じなのか見ておきたいじゃん」
俺とペアを組んでいたニノにも、勿論推薦入学の話は来たわけで
ニノは早々に入学の意思を高校に伝えていた
「どう思った?あの人たち」
ニノが見てる視線の先にいるのは
さっき負けたあのふたりだ
「ん…勿体ねぇなぁって思った…」
「ふふっ、だよねぇ…
高校行っても智とペアでいいかな、って思ってたけどさ
あの、力加減馬鹿男先輩…鍛え甲斐がありそう」
「力加減馬鹿男って…
お前、先輩だぞっ⁉︎」
「だって思わなかった?
あんななり振り構わず動き回って
ラケット振り回して
無駄な動きが多すぎ…
でも、相当なパワーと反射神経はあるから
鍛えればかなり強くなる」
ニノがその先輩を見つめたままニヤッと笑った
あぁ…出たよ…
コート内の悪魔…
俺とペアを組むまで
どれだけの部員が泣かされたことか
俺は中学に入ってからだけど
ニノは小学生の時からバドミントンをやっていた
経験のある一年生は入部早々、試合形式の練習に参加させて貰える
そしてニノとペアを組んだ奴は
ニノの毒舌指示に耐えられず
試合が終わると『もう二度と二宮とは組まない』という奴が続出した
そんなニノが俺を見つけたのは
3年生の先輩たちが引退した後…
未経験の俺たちもようやくコートに立たせて貰えるようになった時だった
『へぇ…思わぬ所に逸材がいたな…
これからもよろしくな、大野くん』
その時のニノは、今と同じような笑顔で俺に話掛けたんだ