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take a breather

第3章 このままもっと

リビングのエアコンのスイッチを入れた。

「はあ~、生き返る~」

潤がコートを脱ぎながらホッとしたように呟いた。

高級そうな潤のコート
皺がつかないようにハンガーに掛けないと

「潤、ニノ、コート貸して?
ハンガーに掛けとくから」

「ありがと」

「サンキュー」

ふたりからコートを受け取り、自室に向かおうとする俺に智くんから声が掛かる。

「翔くん、潤に着替え貸してやってよ。
ゆっくり飲むなら楽な服装の方がいいだろ?」

「あ、そうだね。
潤、家の中なんだからスエットでいいだろ?」

「なんでもいい。翔に服のセンスは求めてねぇし」

ニカっと笑う潤。失礼だな!まぁ、事実だから言い返せないけど…
でもお前のセンスだって相当なもんだぞ?
どこで売ってんだよ?って聞きたくなる服ばっかでさ。

「ニノには俺の貸すな?
それでどうする?飲む前に風呂入っちゃう?
体あったまるだろうし」

「お~、助かる。そうさせて」

「ん。じゃあ、風呂の準備もしてくるな。
テレビでもつけて、適当にくつろいでてよ」

「おう。わりぃな」


自室にふたりのコートを掛けて、潤に貸すスエットを用意した。

リビングのドアを開けるとソファーに並んで座るふたりの姿が見えた。

潤の肩に頭を乗せ、凭れかかるニノ…
そして、その肩を優しく抱く潤。

なんかイイ雰囲気…

「とうしたの翔くん、そんなところで?」

後ろを振り向くと智くんが立っていた。

「あのふたり、本当に付き合ってるんだなぁ、って実感しちゃった」

智くんが部屋の中を覗きこむ。

「あぁ~、なるぼど。
一年も我慢してたから、反動が凄いんだろうな」

「だよねぇ…潤が片時も離したくないって感じ」

「まぁ、気持ちはわかる。俺もそうだし…」

智くんが俺の方を向いて微笑んだ。

「そう、なんだ…」

その笑顔がいつものフニャ、じゃなくて艶がある、っていうか、男っぽいというか…

今までにない表情を見せる智くんにドキっとする。

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