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take a breather

第3章 このままもっと

「潤、風呂の用意出来たぞ」

「おっ!サンキュー」

ソファーから立ち上がり、智くんに礼を言うと、座ってるニノに向かって手を伸ばす。

「行こう、カズ」

ニノが潤の手を握り立ち上がる。

「え?一緒に入るの?そんなに広くないよ?家の風呂」

大人がふたりで入れないこともないけど、かなり窮屈なんじゃ…

「大丈夫だよ。家の風呂だってそんなデカくないし」

「家でも一緒に入ってるの?」

「毎日じゃないけど入るよ?恋人同士なんだからそれくらいするだろ?」

「あ、そうなんだ…」

「ニノの着替え、風呂場に置いといた
俺の分と2組あるから、好きな方使って」

「ありがとう、大野さん。お先…」

風呂場に向かうふたりの姿を見送った。

俺…今まで付き合ってきた人と一緒に風呂入ったことないや。

雅紀とは温泉旅行に行ったとき入ったけど、大浴場だったから他の人もいたし
ホテルに行ったときも個別にシャワーで済ませてた。

雅紀に何度か誘われたけど『いいよ、先に使って』なんて返事して
もしかすると雅紀は一緒に入りたかったのかな…
だったら申し訳ないことしてたな。

だってさ、一緒に入るのは時短の為だと思ってたんだもん。
それなら風呂に浸かるより、シャワーで済ませた方が早いだろ、って思ってた。

俺、ほんと色気ねぇなぁ…これじゃ雅紀だって愛想つかすよ。

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