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take a breather

第22章 Song for me

「ねぇ翔ちゃん、夏休みに日雇いのバイトしない?」

そう声を掛けてきたのは
高校の時の同級生、雅紀

雅紀は地元の大学に進学し、俺は東京の大学に進学

住む場所は離れてしまったけど、今でも連絡を取り合う仲の良い友人

「日雇いのバイトって何?
力仕事はやだよ?」

日雇いなんて言われると、俺の中では工事現場とか肉体労働のイメージが強い

「あ〜違うよぉ。毎年こっちで開催されてる野外フェスがあるんだけど
そのフェスで当日だけの会場整理の仕事
バイト代も悪くないし
何よりもプロ歌手の生歌をタダで聴けるっていうのが良くない?」

フェスかぁ…

俺も音楽は嫌いじゃない
けど、どちらかと言えば、洋楽の方が好きなんだよなぁ…

でもバイト代がいいならやってもいいかな

夏休みは実家に帰る予定だし
雅紀とも会おうと思ってたから丁度良いかも

「オッケー、やるよ」

「ホント?良かったぁ
じゃあ詳しい事は後から連絡するね」

「うん、よろしく」

後日、雅紀からLINEで連絡が入った

フェスの開催日は8月の最終日曜日

出演アーティストも一緒に送られて来たが
知ってる名前もあれば、全く聞いた事のない人もいた

どちらにしても出演者にそんなに興味はないし、期待してなかったから何の問題もないんだけどね

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