テキストサイズ

take a breather

第22章 Song for me

「ひとりで寂しかった?」

さっきまでの哀しい表情ではなく、優しい眼差しで問われる

「うん…凄く寂しかった…
智くんから来るメッセージが少なくなっていって
自分が悪いのに…智くんはすぐに俺の事忘れちゃうのかな、って思ったら哀しくて…」

あの時の不安を思い出し、涙がこみ上げてくる

「俺も寂しかった…
でも翔が仕事頑張ってるなら、邪魔しちゃいけないって…
その分、歌詞に今の想いを込めようと思って、書き直ししてたんだ」

智の親指が俺の目尻から流れる涙を拭う

「あの歌…凄く好き…」

智がどれだけ俺の事を想ってくれてるか分かるから

「気に入って貰えてよかった
書き直した甲斐があったよ」

「あの歌が生まれたなら、会えなかった時間も無駄じゃなかった…」

智の想いだけじゃなく、智が俺にとってどれだけ大切な人なのかがわかったから

「大好きだよ…智くん…」

智を引き寄せ、キスをする
離れた智が困った表情を見せた

「今日はもうやめて欲しかったんじゃないの?
そんな事されたらやめてあげられないよ?」

「うん…いい…」

今日はあなたの愛を、壊れるまで感じたい

優しく微笑んだ智から沢山のキスが贈られる

額…頬…鼻先…瞼…そして唇…

「翔…愛してる…」

キスと一緒に降ってくる愛の囁き

これからも俺の為に詠ってよ…

あなたの言葉で紡がれた、俺だけに贈られる愛の詩。


《end》

ストーリーメニュー

TOPTOPへ