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take a breather

第24章 むかえに行くよ

「俺…今日知ったんだよ、翔くんの気持ち」

「え?マジで気付いてなかったんだ…
まぁ、智ならそうか…
自分がモテてるの気付いてなかったしな」

「松潤はいつ気付いた?」

「最初からかな…
決定打は、教科書貸すのを断られた時だけど」

「あ〜、あれか…」

俺の近くにいたいから、借りるのを断ったって…

そうだよな…結構なアピール受けてたんだよな、俺も…

それなのに気付かないって
ニノと違って鈍いな、俺…

「友達になったばかりだけどさ
あんなに純粋な想いを持った翔くんにも、しあわせになって貰いたいよ?俺としては」

松潤が俺を見て微笑んだ

俺だって、翔くんにはしあわせになって貰いたいよ…

だからこそ、今ならまだ新たな相手を探した方がいいんじゃないかと思うんだ

子供の頃の美化した思い出の中の俺なんかじゃなく
今現在の、翔くんに相応しい相手…

「ただいま」

トイレから翔くんが戻った

「おかえり」

松潤が笑顔で迎える

もし、翔くんの恋愛対象が男だと言うのなら
それこそイケメン同士、松潤なんてお似合いなんじゃないか?

仲間思いのいい奴だし…

松潤だって、翔くんに対して好意的だ
翔くんが松潤を好きになれば…

「どうかしたの?智くん。難しい顔してるけど?」

心配そうに俺の顔を覗き込む翔くん

「あ、いやっ…何でもない」

優しくて、可愛くて、イケメンで、金持ち…

こんなに完璧な人と俺じゃ、釣り合い取れないよ

翔くんのしあわせを願うなら
翔くんには、もっと翔くんに相応しい人間を選んで貰わなくちゃいけないんだ

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