take a breather
第24章 むかえに行くよ
でも、そのクローバーを、翔くんはあの子にあげてしまった…
俺は、地面のクローバーを掻き分け
そこから一本抜き取って翔くんに差し出した
「はい…これ…」
「えっ?あっ…四つ葉だ…
凄いっ、もう見つけたの?」
「うん…呼ばれた気がしたから…」
「四つ葉に?」
「うん…」
これを摘み取って、翔くんにあげろと頭の中で声がした
「ふふっ、四つ葉の声が聞こえるんだ
だから智くんは見つけるの上手いんだね」
翔くんが楽しそうに四つ葉を見つめ笑う
いや、違う…四つ葉の声じゃない…
クローバーを渡したいのは、今の俺の気持ちだ
自分の気持ちから逃げてちゃ駄目だ
そんなんじゃ、いつまで経っても翔くんに相応しい人間になんてなれない
ちゃんと偽りのない自分の想いを伝える事から始めないと…
「俺の物になって…」
「え?」
翔くんが四つ葉から視線をあげ、俺を見る
「これから頑張って翔くんに見合う人間になるから…
だから、その時は俺の物になってください」
翔くんの目が見開かれた
「さ、としくん…ほんと?いいの?僕で…」
「うん、翔くんがいい…
翔くんは?本当に俺でいいの?」
コクコクと頷く翔くんの瞳から、ポタポタと涙が溢れ出した
「嬉しいよぉ…智くんっ…」
泣きながら抱きついて来た翔くんを受け止める
「ごめんな?俺がちゃんと約束覚えてたら、泣かせないで済んだのに…」
ポンポンと頭を撫でる
「ううんっ!今の方が嬉しいからいいっ…
智くんに、またクローバー貰えた…
え…?」
勢いよく顔を上げた翔くんが、頭に手をやる
そこにはシロツメグサの花冠…
「あ…」
「ふふっ…可愛いよ?よく似合ってる」
「ふっ、くっ…さと、くん…ありが、と…」
泣きじゃくる翔くんが、また抱きついて来た
『さとくん』呼びも、可愛くていいかもな…
何年先になるかわからないけどさ
俺が自分に自信を持てるようになったら、翔くんの事ちゃんと貰いに行くから…
その時まで待ってて?約束…な?
《end》
俺は、地面のクローバーを掻き分け
そこから一本抜き取って翔くんに差し出した
「はい…これ…」
「えっ?あっ…四つ葉だ…
凄いっ、もう見つけたの?」
「うん…呼ばれた気がしたから…」
「四つ葉に?」
「うん…」
これを摘み取って、翔くんにあげろと頭の中で声がした
「ふふっ、四つ葉の声が聞こえるんだ
だから智くんは見つけるの上手いんだね」
翔くんが楽しそうに四つ葉を見つめ笑う
いや、違う…四つ葉の声じゃない…
クローバーを渡したいのは、今の俺の気持ちだ
自分の気持ちから逃げてちゃ駄目だ
そんなんじゃ、いつまで経っても翔くんに相応しい人間になんてなれない
ちゃんと偽りのない自分の想いを伝える事から始めないと…
「俺の物になって…」
「え?」
翔くんが四つ葉から視線をあげ、俺を見る
「これから頑張って翔くんに見合う人間になるから…
だから、その時は俺の物になってください」
翔くんの目が見開かれた
「さ、としくん…ほんと?いいの?僕で…」
「うん、翔くんがいい…
翔くんは?本当に俺でいいの?」
コクコクと頷く翔くんの瞳から、ポタポタと涙が溢れ出した
「嬉しいよぉ…智くんっ…」
泣きながら抱きついて来た翔くんを受け止める
「ごめんな?俺がちゃんと約束覚えてたら、泣かせないで済んだのに…」
ポンポンと頭を撫でる
「ううんっ!今の方が嬉しいからいいっ…
智くんに、またクローバー貰えた…
え…?」
勢いよく顔を上げた翔くんが、頭に手をやる
そこにはシロツメグサの花冠…
「あ…」
「ふふっ…可愛いよ?よく似合ってる」
「ふっ、くっ…さと、くん…ありが、と…」
泣きじゃくる翔くんが、また抱きついて来た
『さとくん』呼びも、可愛くていいかもな…
何年先になるかわからないけどさ
俺が自分に自信を持てるようになったら、翔くんの事ちゃんと貰いに行くから…
その時まで待ってて?約束…な?
《end》