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take a breather

第25章 P・A・R・A・D・O・X

「でも、大野先生と二宮先生って仲良いですよね
今日、おふたりが話してる姿見て
教師同士の会話と言うよりは、友達同士の会話だな、って」

「相葉ちゃんが間にいるからね、仲良くはしてる」

「相葉さん?なんで?」

「親友の恋人だから」

「だれか?」

「二宮先生」

「親友ってだれ?」

「だから、相葉ちゃん」

親友が相葉さんで、親友の恋人が二宮先生?

って、ちょっと待て!

「えっ⁉︎相葉さんと二宮先生が恋人同士⁈」

「うん、そうだよ?でもみんなには内緒ね?
俺がバラしたってバレたら、二宮先生に怒られるから」

いやっ!そんなの俺の口から広まったってなれば
それこそ俺が二宮先生に何されるかわかったもんじゃない

怒鳴られるくらいで済むならいいけど
二宮先生の場合違う怖さが…

ネチネチと締め殺されるようなイメージ?

「口が裂けても言いません…」

「うん、そうしてくれると助かる
アイツ怒らせると怖いから
相葉ちゃんなんて余計な事言って、しょっちゅう怒られてるんだよ?」

大野先生が『世話焼き女房』を相葉さんに口止めした理由はそれか…

自分の恋人が自分の事を、他の人の女房だなんて言ったら、良い気はしない

「わかる気がします…」

「仲は良いんだぞ?あのふたり」

「でも意外です…二宮先生の恋人が男の人だなんて」

「相葉ちゃんの一目惚れでさ
そこから猛アタックの末に、ようやく落としたって感じだな」

「大野先生も相葉さんに協力したんですか?」

「ま、多少はね…
親友が必死になってりゃ、後押ししてやりたいじゃん」

「そうですね」

「その分、今、俺がケツ叩かれてるけど…」

大野先生がコーヒーの入ったコップを口に付けながら、何やらボソッと言った

「ん?何か言いました?」

「いや、ひとりごと…」

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