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take a breather

第27章 Turning Up

反省したのか、ニノがシュンと肩を落とした
それを見た潤くんが、ふっと表情を緩める

「和…俺たちの愛情も死ぬまで壊れないから
だから、ふたりを妬む必要はないよ?」

潤くんを凝視するニノ

「潤、くん…本気?
本気で言ってくれてるの?」

「あぁ。こんな仕事してるから、信じて貰えないかも知れないけど
俺は本気で和のこと愛してる
旅行に誘ったのだって和が初めてだ」

ニノが飛びつくように潤くんに抱きつくと
それを優しい笑顔で受け止める潤くん…

「潤くん、嬉しいよぉ…」

ニノは羨ましかっただけなんだね
翔くんが、僕たちの愛情が壊れないって言い切ったこと

ニノだって、本当は信じたいんだ
愛情も永遠に続くものだって

でも、そう願う相手の人がホストだから…
そんなことは無理だと決め付けて、僕たちに嫉妬した

よかったね、ニノ
潤くん、ギラギラしてるけど良い人じゃん

「ふふっ…可愛いね、和さん」

翔くんが抱き合うふたりを優しく見つめる

翔くんの頬を両手で挟み、こちらを向かせた

「翔くんは僕のことだけ見てればいいの」

一瞬驚いた表情をした翔くんが、ふっと笑った

「智さんより素敵な人なんていないんだから、やきもち妬く必要なんてないのに」

「うっ…だって、翔くんが優しい目でニノを見るんだもん」

「俺のこと、信じてくれるんでしょ?
俺が好きなのは誰?」

「ぼ、ぼく…」

自分で言って顔が熱くなる

翔くんの両手が僕の頬を包んだ
ニノを見ていた時よりも優しい瞳で僕を見つめる

「そう、智さん
これから先も好きになるのは智さんだけだよ?」

キュンっと鳴る胸

ニノに『甘い』って馬鹿にされてもいい
こんなにストレートに気持ちをぶつけてくれるんだもん
それを受け止めなきゃ勿体ないじゃない?

自分の心に素直になれば、最高にしあわせになれるんだから

「翔くん、これからもず〜っと僕のこと愛してね?」

翔くんが最高に甘い笑顔で頷いてくれた。


〈end〉

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