テキストサイズ

take a breather

第28章 Welcome to our party

「智さん、明後日デートしましょ?」

「デート?」

「はい。デート」

翔がニコッと笑ってそう言って来たのは、金曜日の夜のこと

翔からデートのお誘いなんて初めてだな

週末には、よくふたりで外出するけど
わざわざ『デート』と言って出掛けることはない

「どこか行きたい所でもあるのか?」

「いいえ、特には」

「じゃあ何でデート?」

「たまには良くないですか?
外で待ち合わせしてデートするの」

「え?待ち合わせ?
ここから一緒に出るんじゃなくて?」

「はい。外で待ち合わせしてのデートです」

ニコニコと笑う翔

もしかして、マンネリ化した今の生活に物足りなさを感じて、刺激が欲しいのか?

翔にそんな想いをさせてしまっていたなんて…

「翔!ごめんな!」

翔をギュッと抱きしめた 

「えっ⁉︎なにっ⁉︎どうしたんですか?智さん」

「まだ指輪をあげて間もないってのに
俺が不甲斐ないばかりに、もう倦怠期に突入なんて…
ごめん、許せっ」

「へっ?倦怠期?なに言っ…んっ…さとしさ…」

翔をラグの上に押し倒し、唇を塞ぐ

「今夜は翔が満足するまで抱いてやるから
だから俺のこと、呆れないでくれ」

「やっ…さとっ…あっ…ちがっ…あんっ…」

「ミァ〜」

ソファーの上に座っていたブルーが、ピョンと飛び降り、ポテポテと自分の寝床へと入って行った

察してくれたかブルー、すっかり大人になったな

ストーリーメニュー

TOPTOPへ