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take a breather

第29章 TRAP

取材が終わって、ニノにまた詮索されないうちに楽屋を出た

「お疲れさん、お先っ」

「あ、逃げた」

やはりニノは侮れない
これからはもっと気を付けないとな

でも嵐5人での仕事の時は智くんも一緒にその場にいるんだから大丈夫か…

「お疲れさまです、櫻井さん」

マネージャーの待機してる車に乗り込む

「お疲れ。今日も智くんの家に送って」

「了解です」

スマホを取り出し、智くんにメッセージを送る

『今から向かうね』

すぐに既読が付いて『気をつけて』のスタンプが送られてきた

それを確認してスマホをしまう

「今日のメニューは決まってるんですか?」

「ふふっ…今日はねぇ、カレー」

「おー!大野さんの得意料理じゃないですか」

「うんっ。まだ食べさせて貰った事ないからさぁ、お願いして作って貰った」

「いいですねぇ…美味いカレーを作れる女性がいたら、彼女にしたい」

「確かになぁ…
料理上手な人っていいよな
美味いメシと好きな人が家で待っててくれるってだけで、仕事も頑張れる」

「ですよねぇ…
でも櫻井さんはしばらくは無理そうですね」

バックミラー越しに見えたマネージャーの顔がニヤッと笑った

「なんでだよっ」

「美味いメシを作ってくれる人がいるからですよ
それ以上に美味いメシを作ってくれる人を見つけないとダメでしょ?
今の櫻井さん、大野さんの料理にベタ惚れじゃないですか
わざわざ仕事帰りに寄るくらいなんだから」

「それはそうだな…」

それにあの場所はとても居心地がいい
簡単には手離せそうもないや

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