take a breather
第7章 コイゴコロ
「はぁ〜」
ため息を吐き座り込んだ
「大野さん?」
櫻井が俺の元へ来てしゃがみ込み
心配そうに顔を見る
「ほんと危なかったよなぁ…
あいつひとりで泊まらせてたらどうなっていたことか」
「どうもなっていないと思いますよ?」
櫻井が小首を傾げる
「なんでだよ
あいつお前の事好きなんだぞ?
キスだってされただろ」
「あれは挨拶ですよね?
准一さんもそう言ってたじゃないですか
俺にとっても挨拶です」
「お前なぁ…」
危機感の無さを注意しようとすると
櫻井は頬を薄っすらピンクに染めてはにかんだ
「大野さん以外にされたキスなんて
挨拶以外の何物でもありません」
恥ずかしそうにそう告げる櫻井
そっか…そうだよな
お前にとっては俺以外の男は恋愛対象じゃないんだから
あんな頬っぺたにされたキスなんて
なんとも感じないんだ
残念だったな 岡田
お前は爪痕を残せなかったよ
櫻井の腕を取り抱き寄せる
「大野さんっ⁈」
俺相手だとこれだけの事でも照れるのに
「『智さん』って呼んでくれないの?」
「えっ⁈」
「岡田の事は名前で呼んでんじゃん
俺の事は名前で呼んでくれないの?」
「あ…え、と……さ…」
「さ?」
「と」
「と?」
「……む、無理ですっ
恥ずかしいっ…」
俺の肩に顔を伏せる櫻井
「え〜、いいじゃん 呼んでよ」
「もう少し待ってください
大野さんと一緒にいる事に慣れたら呼びますから」
「ふふっ…そっか、残念…」
残念だけど仕方ない
それだけ俺の存在は特別なんだってわかったから
だから焦らず待つ事にしよう
そんな遠い未来の事でもないだろうし?
「翔…」
「えっ⁈」
櫻井の耳元で囁くと驚き 顔をあげた櫻井
名前を呼んでもらうのは待つとして
今はその真っ赤な果実をいただくとするかな…
両手で櫻井の肩を掴み近付いて行くと
大きな瞳は閉じられていく
うん。きっと近い内に名前も呼んでもらえる事だろう
櫻井との甘いキスに酔いしれながらそう確信した。
《end》
ため息を吐き座り込んだ
「大野さん?」
櫻井が俺の元へ来てしゃがみ込み
心配そうに顔を見る
「ほんと危なかったよなぁ…
あいつひとりで泊まらせてたらどうなっていたことか」
「どうもなっていないと思いますよ?」
櫻井が小首を傾げる
「なんでだよ
あいつお前の事好きなんだぞ?
キスだってされただろ」
「あれは挨拶ですよね?
准一さんもそう言ってたじゃないですか
俺にとっても挨拶です」
「お前なぁ…」
危機感の無さを注意しようとすると
櫻井は頬を薄っすらピンクに染めてはにかんだ
「大野さん以外にされたキスなんて
挨拶以外の何物でもありません」
恥ずかしそうにそう告げる櫻井
そっか…そうだよな
お前にとっては俺以外の男は恋愛対象じゃないんだから
あんな頬っぺたにされたキスなんて
なんとも感じないんだ
残念だったな 岡田
お前は爪痕を残せなかったよ
櫻井の腕を取り抱き寄せる
「大野さんっ⁈」
俺相手だとこれだけの事でも照れるのに
「『智さん』って呼んでくれないの?」
「えっ⁈」
「岡田の事は名前で呼んでんじゃん
俺の事は名前で呼んでくれないの?」
「あ…え、と……さ…」
「さ?」
「と」
「と?」
「……む、無理ですっ
恥ずかしいっ…」
俺の肩に顔を伏せる櫻井
「え〜、いいじゃん 呼んでよ」
「もう少し待ってください
大野さんと一緒にいる事に慣れたら呼びますから」
「ふふっ…そっか、残念…」
残念だけど仕方ない
それだけ俺の存在は特別なんだってわかったから
だから焦らず待つ事にしよう
そんな遠い未来の事でもないだろうし?
「翔…」
「えっ⁈」
櫻井の耳元で囁くと驚き 顔をあげた櫻井
名前を呼んでもらうのは待つとして
今はその真っ赤な果実をいただくとするかな…
両手で櫻井の肩を掴み近付いて行くと
大きな瞳は閉じられていく
うん。きっと近い内に名前も呼んでもらえる事だろう
櫻井との甘いキスに酔いしれながらそう確信した。
《end》