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take a breather

第7章 コイゴコロ

「んじゃ、俺そろそろ失礼するわ」

「え?もうですか?
まだ8時前ですけど」

「一度ホテルに戻ってシャワーしてから実家に帰る
あんまり待たせるとオカンが騒ぐから、もう行かないと」

「そうですね、お母さん待ってますね
早く帰ってあげてください」

「おう、じゃあ元気でな 翔」

「准一さんもお元気で」

笑顔で挨拶を交わすふたり

岡田がチラッと俺の方を見たかと思ったら
櫻井に向き直り一歩近付いた

「またな…」

そう言うと櫻井の頬に『チュッ!』と派手な音を立ててキスをした

「なっ…なぁにしてくれてんだぁ!おかだぁーっ!」

「何って単なる挨拶だろ?
そんなムキになるなよ、小さい男は嫌われるぞ?」

「ここは日本だ!挨拶にキスはいらねぇ!」

「あぁ、そうだった…
悪い悪い、長い間海外生活すると
挨拶もアメリカンスタイルに変わるよなぁ」

白々しい!絶対わざとだろ!
キスする前に俺の事見ただろが!

「じゃあ本当に行くな?」

「准一さん、また来てくださいね」

「翔が会いたいって言ってくれれば
いつでも飛んでくるけど?」

まだ言うかこいつっ!

『それは絶対ない!』と口を開こうとした時
櫻井が岡田に向かってニコッと微笑んだ

「それはないです」

岡田は一瞬目を見開くと苦笑いした

「最後の最後までヘコますなぁ」

「すみません、正直者なんで」

「だな…じゃあ、お邪魔しました」

岡田が漸く部屋から出て行った

暫くはその顔見せんじゃねぇぞ!

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