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take a breather

第8章 rolling days

「「ご馳走さまでした」」

午後の授業開始まで後5分弱…

「片付けはやっておくから智くんはもう行って?
僕、この時間は授業ないから」

「ん、ありがと翔さん」

「じゃあ、また夜ね…」

「帰る時、連絡する」

「うん、いってらっしゃい」

「いってきます」

部屋を出た途端顔が緩む
今の会話、まるで夫婦みたいじゃね?

スキップしたい気持ちを抑え早歩きで教室に向かう

教室に入る直前、スキップしている相葉ちゃんと会った

「相葉ちゃん、どうした?」

ニヤニヤ顔の相葉ちゃんが俺に耳打ちする

「んふっ…ラブだよラブ」

「へ?ラブ?」

「そう!ラブ」

そう言ってまたスキップしながら教室に入って行く

あの浮かれよう…
この短時間に何があったんだ?

まぁ、俺も色々あったから人の事は言えないが…

教室に入り席に着く
隣の席でスマホでゲームをしているニノ
ニノなら何か知ってるよな?
今日はふたりで弁当食ったはずだし…

「なぁ、ニノ…」

「ん、なに?」

ゲームを続けるニノに声を掛けた
ニノはスマホから目を離さないが これはいつもの事…
ニノはゲームをしながらでも話を聞いてくれる
ってか、ゲームをしてても話しかけないと、いつまで経っても話が出来ないというのが正しい表現か…

「相葉ちゃんになにがあった?
すっげぇ浮かれてっけど…」

そう言うとニノの手が止まり相葉ちゃんの方を見る

それに気付いた相葉ちゃんがニノに手を振った

「あ、のバカ…」

ニノの頬が少し紅く見えるのは気のせいか?

「ニノ、何か知ってるのか?」

「しっ、知らないっ」

珍しく動揺してないか?

「授業始めるぞぉ〜、週番」

数学の三宅先生が教室に入ってきた

「ほらっ、智!挨拶!」

「おう…」

なんだかはぐらかされた?
後で相葉ちゃんにもう一度聞いてみっか…

2時間後、真相を聞いた俺は『なんで?なんで?』を繰り返し
相葉ちゃんは『ラブだよラブ』を繰り返し
ふたりのやり取りを見ていたニノは顔を紅く染めソッポを向いて『うざい』と呟いた

こんな風に照れるニノを初めて見た
『うるさいから仕方なく』なんて言ってるけどさ
そんなことでOKするような性格じゃない
元々ニノも相葉ちゃんのこと満更でもなかったってことだろう

いずれにしてもふたりが幸せそうで良かったよ。

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