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「ニノ…」

「ん？なに？」

「お前、今、相葉のこと『雅紀』って呼んだよな？」

「えっ？…あ…」

一瞬『しまった！』って顔をして
すぐにいつもの表情に戻るニノ

「櫻井さんが呼ぶから釣られただけだよ」

「そんなことねぇだろ
ニノが釣られるほど翔はここで相葉のこと呼んでねぇし
お前 自分で線引きしてたよな？
お客さんは皆んな苗字で呼ぶって
それ以上の関係にならないと名前で呼ばないんだろ？」

「うっ…だ、だってしつこいんだもん、この人…」

「ふふっ、俺の粘り勝ちです！」

顔を紅く染めるニノと幸せそうな笑顔を見せる相葉
やっぱりお似合いだよ…お前らふたり

「それよりっ、もうすぐ昼だよ？
今日はメシ食べてかないの？」

恥ずかしさを誤魔化すように動き出したニノ

「いや、食うよ。翔、なに食べる？」

「オムライスっ」

子供みたいな笑顔を見せる

「だよな…じゃあ、オムライス２つで」

「まいどありっ」

ニノが調理に取り掛かる

「で、この仔…本当に大野さんが世話するんですか？」

相葉が黒猫の顎をチョンチョンと撫でた

「ん、他の家がダメなんだから
それしかないだろ？」

「でも、大丈夫ですか？
さっきも言いましたけど
こまめにミルクあげなきゃいけないんで外出も出来ませんよ？」

「えっ！そんななの？」

「はい…親猫がいれば勝手にミルク飲みますけど
人の手で育てるとなると人間の赤ちゃん育てるのと同じですから」

「そう言われても、俺 人間の赤ちゃん育てたことないからわからねぇよ…」

「あ、そうですよね
この一週間は1日に6から8回くらいミルク飲ませるようですよ？
一回に飲む量が増えてけば回数は減っていきますけど」

「6から8回？24を割ると3、4時間おき？」

「そうですね、ヒトの赤ちゃんもそれくらいなんで」

「マジか…」

結構ハードだな…
本当に外出も出来なそう。