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take a breather

第9章 Calling

「あの…大野さん…」

翔がモジモジしながら俺を呼ぶ

「どした?」

「もし、ご迷惑じゃなければ
大野さんのお宅に泊めて貰えませんか?」

「ん?誰を?」

「俺、を…
俺が無理に頼んだようなもんなんで
俺がこの仔の世話します」

「えっ!」

「あっ…やっぱりご迷惑ですよね…」

シュンと肩を落とす翔

「イヤ!全然迷惑じゃないしっ
そうして貰えると俺も助かる」

「本当ですか?」

「うん、ホント
ふたりだったら夜中も交代でミルクやれるだろ?」

「はいっ」

嬉しそうに微笑む翔

「あと問題は平日の昼間ですね…」

「ん〜そうだなぁ…流石に一週間は有給取れないし」

「だったらウチに連れてくれば?
はい、オムライスお待ちっ」

オムライスをテーブルに置くニノから 有り難い申し出

「いいのか?」

「うん、いいよ?
3、4時間おきなんでしょ?
朝来る前に飲ませてくれれば
ランチ始まる前に一回飲ませるか
ランチの時間にふたりが来て飲ませてくれればいいんだし
その後も店が暇な時間帯に一回飲ませるくらいでしょ?
だったらいいよ?預かっても」

「いいんですか?二宮さん
ご迷惑なんじゃ…」

「大丈夫、大丈夫
なんかさ、一所懸命な櫻井さん見てたら手伝ってあげたくなった」

「ありがとうございます!」

翔が満面の笑みでお礼を言うと

「ふふっ、可愛いよねぇ…」

ニノも笑顔になった

「ですよね?この仔、凄く可愛いですよね!」

猫の体を撫でる翔

「違うよ、可愛いのは櫻井さん
大野さんがベタ惚れなのわかるわぁ…」

「え…そんなっ…」

今度は顔を真っ赤に染めた

「ふふっ、かぁわいいっ」

俺も同意見…

その姿をゆっくり見ていたいけど
でも翔が大好きなオムライスが冷めちゃうから

「翔、早く食べないと冷めるよ?」

「あ、はいっ」

いつものように頬張って食べる…
うん、俺 この先ハムスター飼わなくていいや
こんなに可愛いくて見飽きない生き物が傍にいるんだから

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