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take a breather

第9章 Calling

翔の体を拭いて服を着せても起きる気配はない
余程の疲れなのか…

ブルーの布団もリビングから持ってきて
ベッドの下に置いて寝かせ
俺はシャワーを浴びてスヤスヤと眠る翔の横に潜り込んだ

明日の朝は翔をゆっくりと寝かせておいてやりたいから
ブルーのミルクは俺がやるようだな

「おやすみ…」

翔の可愛い寝顔に挨拶をして眠りに就いた



「み…」

「ん…ブルー?ミルクの時間か?」

「みぃ…」

ブルーの鳴き声で目が覚めた

陽も昇り部屋の中も明るくなっている

隣には気持ち良さそうに寝ている翔

「ミルク用意してくるから
その間 翔のことよろしくな」

万が一翔が起きた時にひとりだと寂しがるかと思って
ブルーを抱き上げ ベッドに乗せた

「みゃあっ」

自信満々に『まかせて』とでも言ってるかのように聞こえる鳴き声

「じゃあ行ってくる」

ブルーの頭をひと撫でしてキッチンへ向かった


数分後、出来上がったミルクを持って寝室へ戻る途中…

「ぁんっ…」

部屋に入る手前で聞こえる翔の艶かしい声

急いで部屋へ入ると翔の枕元にいるブルー

「んん…」

ブルーにペロペロと耳を舐められ身悶えてる翔

「……」

まったくコイツは…というか コイツらは…

「ブルー それ、俺のだから…お前のはコッチ」

ベッドに座りブルーに哺乳瓶を向ける

「みぃ…」

足場の柔らかいベッドの上をよちよちと歩いてきて哺乳瓶を咥える

哺乳瓶を持ってない方の手で翔の頬を撫でた

「んっ…さとしさ…」

誘うような甘い声で俺を呼ぶけど まだ目は覚めなそう

今日は土曜日…

ブルーもミルクをたっぷり飲めば6時間は寝てる

「俺以外のヤツに感じさせられちゃダメだろ?
起きたらお仕置きだから、覚悟しとけよ?」

そしてお仕置きが終わったら
これからのふたりの事 話し合おうな…

まずは『さん』を外す事から始めてみようか。


《end》

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