
take a breather
第10章 Lotus
連れて行かれた部屋の中には ほとんど物はなく
あるのはテーブルと2人掛け用のローソファーとテレビ
先にソファーに座った智くんが手を繋いだまま立ち尽くす俺を見上げる
「座って?」
智くんに言われるがまま隣に座った
けど 座ったはいいが落ち着かない…
智くんの体が俺の方に向くと 今度は両手を包まれるように握られる
俺は視線を下げ 握られた手を見つめてた
「翔ちゃん 俺 侑李とちゃんと話したよ?
前に告られた時は『ごめん』としか言えなかったんだ…
あの頃はただ『侑李とは付き合えない』
『弟のようにしか思えない』って…
侑李には悪いけど『無理だわ〜』くらいにしか考えてなかった」
智くんの話にどう反応していいのかわからず
頷くこともしないで静かにただ聞いていた
「アイツと距離を置けば 自然に離れて行くだろうと思って独立を早めたんだ…」
やっぱり侑李くんの為だったんだ…
「でも 逃げてるだけじゃダメなんだよな…
侑李を傷つけたくなくて 俺にその気はないんだって態度で見せてたつもりなんだけど
俺が男相手でも恋愛出来るってアイツにバレたから期待させちゃったみたいだ…」
智くん…男の人 好きになれる人なんだ…
だったらなんで侑李くんのことフるんだろう…
あんなに可愛い子なのに
「…なんで…侑李くんじゃ ダメなの?」
一瞬の沈黙のあと 俺の手を握る智くんの手に力がこもった
「さっき店でも言ったろ?
侑李にダメなところがあるんじゃない…
俺が…俺が 翔ちゃんじゃないとダメなんだ」
あるのはテーブルと2人掛け用のローソファーとテレビ
先にソファーに座った智くんが手を繋いだまま立ち尽くす俺を見上げる
「座って?」
智くんに言われるがまま隣に座った
けど 座ったはいいが落ち着かない…
智くんの体が俺の方に向くと 今度は両手を包まれるように握られる
俺は視線を下げ 握られた手を見つめてた
「翔ちゃん 俺 侑李とちゃんと話したよ?
前に告られた時は『ごめん』としか言えなかったんだ…
あの頃はただ『侑李とは付き合えない』
『弟のようにしか思えない』って…
侑李には悪いけど『無理だわ〜』くらいにしか考えてなかった」
智くんの話にどう反応していいのかわからず
頷くこともしないで静かにただ聞いていた
「アイツと距離を置けば 自然に離れて行くだろうと思って独立を早めたんだ…」
やっぱり侑李くんの為だったんだ…
「でも 逃げてるだけじゃダメなんだよな…
侑李を傷つけたくなくて 俺にその気はないんだって態度で見せてたつもりなんだけど
俺が男相手でも恋愛出来るってアイツにバレたから期待させちゃったみたいだ…」
智くん…男の人 好きになれる人なんだ…
だったらなんで侑李くんのことフるんだろう…
あんなに可愛い子なのに
「…なんで…侑李くんじゃ ダメなの?」
一瞬の沈黙のあと 俺の手を握る智くんの手に力がこもった
「さっき店でも言ったろ?
侑李にダメなところがあるんじゃない…
俺が…俺が 翔ちゃんじゃないとダメなんだ」
