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take a breather

第10章 Lotus

俺じゃなきゃダメ?なにが俺じゃなきゃダメなんだ?

言われてる意味がわからない…

答えを求めるように智くんの顔をじーっと見つめた

智くんはそんな俺の様子を見てフニャッと笑った

「あのね?俺 翔ちゃんのことが好きなの
だから翔ちゃんじゃないとダメなんだよ?」

智くんは俺が何を聞きたいのか ちゃんとわかっていてくれたようで
俺が理解出来るように ゆっくりと優しい声で話してくれた

あぁ なんだ…そういうことか…

智くんが好きなのは『俺』

だから侑李くんじゃダメなんだ……え?

「えぇーーっ!俺っ⁈」

ビックリして思わず叫んでしまった

ニコニコと笑い頷く智くん

「だって俺たち 出会ってからまだ1週間も経ってないよ⁈」

「うん。でも 好き」

「え?なんで?なんで 俺⁈」

「一目惚れ?相葉ちゃんから写真見せて貰った時
『あ、俺この人と付き合うかも』って思っちゃったんだよねぇ」

「あんな不機嫌丸出しなのに?」

「うん。はじめて会った時 言ったじゃん
笑ったら可愛いんだろうな、って思ったって」

確かに言ってた…

「でね、実際翔ちゃんに会ったらコロコロ変わる表情が可愛くて
特に顔をクシャッとして笑う笑顔が好きで
いつも俺の傍で笑っていて欲しいなぁ、って…」

いや、可愛いのは俺よりも侑李くんの方だろ…

「翔ちゃんは どう思った?俺の話聞いて」

「…どう思ったって言われても 突然過ぎてなんとも…
智くんのことそういう対象で見てなかったし
俺 男の人、好きになったことないもん」

「俺もないよ?
だから侑李から告られて『無理』って思った
翔ちゃんは?俺に告られて『無理』って思った?」

それは……思わなかった…

それどころか 重かった気持ちが軽くなったような気さえした

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