テキストサイズ

take a breather

第11章 君のうた

ブラコンで結構!

翔は生まれた時からずーっと俺が面倒を見てきたんだ

よく 親が子供を目に入れても痛くない存在と言うが
俺にとっては まさに翔はそういった存在…

3歳の誕生日を迎えた日

かあちゃんが不在の中 とうちゃんとふたりきりで誕生日を祝った

幼かった俺はかあちゃんがいない誕生日が寂しくてとうちゃんに聞いたんだ

『かあちゃ…なんでいないの?』

『もうすぐ帰ってくるよ
かあちゃんは今 智へのプレゼントを用意してるんだよ?』

『ぷれぜんと?』

『そう プレゼント
だからいい子にして待ってような?』

『うんっ!わかたっ!』

その2日後 かあちゃんは翔を連れて帰ってきた

ひとりっ子だった俺にとっては本当に嬉しいプレゼントだった

お人形のように可愛い子が弟になったんだから

あの日から宝物のように大事に育てて来たんだ…

それをどこの馬の骨ともわからない
しかも野郎なんかに翔を渡せるかってぇの!


「どうしたの?智 珍しく難しい顔して」

リビングで考え事をしていたせいか
いつの間にか仕事から帰ってきていたかあちゃんに心配されてしまった

『珍しく』は余計だけど…

「ん…ちょっとな…」

「母さんでよければ 話し聞こうか?」

優しく微笑むかあちゃん

やっぱり親だよな…子供が悩んでるとわかると真面目な顔して話を聞こうとしてくれるんだから

「なぁ、かあちゃん…」

「ん?なぁに?」

「なんで翔ってあんなに可愛いのかなぁ
俺とは似ても似つかない…」

兄弟なのにナゼこうも違う…

そう聞くとかあちゃんは目を見開いた

「あらやだ!アンタ気づいてなかったの⁈」

「何を?」

「アンタと翔…本当の兄弟じゃないわよ?」

「…へ?」

「テッキリ気が付いてるとばかり…
翔が気が付いてるくらいだから」

「…は⁈」

あまりの衝撃に俺の思考回路はショートした

ストーリーメニュー

TOPTOPへ