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take a breather

第12章 Step and Go

むくっと起きベッドから降りてしまったショウ

「どこ行くんだよ」

「シャワー浴びて帰る
これ以上お前といるとロクなこと言わなそうだ」

「ひでぇなぁ…本当のこと言っただけなのに」

「それが余計だってぇの」

顔を紅く染めたまま風呂場に消えた

照れ屋なのは本当の姿か…てか全部本当のアイツなのかもな

俺と違って喜怒哀楽の感情が豊かだからこそ
場面場面で色んな表情を見せるのかも

まだ〈楽〉の顔は見せてもらってないけどな

アイツが笑ったらどんな顔をするんだろう

妖しい微笑みとかじゃなく
心から楽しんで声を上げて笑っちゃうような…

そんなアイツの笑顔を見てみたい


ショウが服に着替え風呂場から出て来た

昨夜よりはだいぶ早いな…もっと時間掛かるかと思ったのに

「早かったな?」

「え?」

濡れた髪をタオルで拭きながら俺を見る
.
「いや、昨夜は長かったから…」

「あぁ…アンタ男抱くの初めてだったな…
男の体は女と違ってすぐに受け入れられないんだよ
だからその前に準備すんの」

「準備?」

「挿れやすくする準備」

「どうやって?」

「…知る必要ないだろ
それとも何か?男と付き合う気にでもなった?」

「ん〜、かも…」

「ハッ、マジか…やめろよ」

人を小馬鹿にするように嘲笑う
.
「なんでだよ」

「どうせ女に戻るんだから
付き合うなら女だけにしとけ」

「わからねぇだろ?そんなの」

「…わかるよ…女のことを抱ける奴は最後には女に戻ってく…
男との未来には何も生まれないからな…」

哀しそうに視線を伏せる

あぁ…こんな顔させたくないのになぁ…

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