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take a breather

第1章 Now or Never

「うわぁっ!」

袋の中から絵を取り出すと驚きの声をあげた。

「すごいっ!これ、あの時描いてた絵だよね⁉」

「そうだよ。
プレゼント何あげていいかわからなくて、雅紀に相談したんだ。
そしたら雅紀に俺が描いた絵がいいんじゃないかって言われたんだけど、良かったのかな?」

「もちろんだよっ!ありがとう!」

翔くんの瞳がキラキラと輝いている。
本当に喜んでくれてるみたいだ。

「良かったぁ…急だったから時間が足りなくて。
本当はキャンバスに描きたかったんだけど、この前描いた絵に色を着けただけになっちゃった。ごめんな」

「ううん。すっごく嬉しいよ?あの時描いた絵が貰えるなんて。
モデルやって良かった」

「今度はさ、キャンバスに描きたいから、またモデルやってくれる?」

「俺でいいの?」

「うん。翔くんじゃなきゃ駄目なんだ。
俺、人物画はその人に気持ちがないと描けないからさ。
これから先、俺が描く人物画は翔くんだけだ

だから、俺だけの専属のモデルになってくれませんか?」

「智くん…」

俺を見つめる瞳に涙が浮かぶ。

今、俺の言った言葉の意味、理解してくれたんだよね?

「契約、結んでくれる?」

「うん、結ぶ。これからず~っと…死ぬまでやってあげる」

涙を零して笑う翔くんに契約締結のキスを贈る。

出逢ってからまだひと月も経ってない俺たち。
はじめは偶然がくれた奇跡の出逢いだと思った。

でも違うんだよな…

俺たちの出逢いは必然だったんだよ。
出逢うべくして出逢ったんだ。

じゃなきゃ説明がつかない。

恋愛に全く興味がなかったふたりが、あの短い時間で恋に落ちこんなにも惹かれ合うなんて。

「翔くん、愛してるよ」

「俺も…愛してる…」


あの夜と同じように、満天の星よりも輝いている翔くんの瞳…

その美しく輝く瞳で、これから先の人生、俺だけを見つめ続けていて…


≪end≫

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