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take a breather

第14章 Find the answer

「着いたよ」

翔くんの言葉で外を見た

「ここ?」

窓から外を見れば、超高級ホテルの入口

「そう。智くんの誕生日のお祝いしようと思って」

「え?ここで?」

こんな立派な場所じゃなくてもいいのに

それに翔くんとふたりきりで
人目を気にしないでお祝いしたかったな…

ホテルのお店じゃ誰かの目には付いちゃう

「智くん、ここでちょっとだけ待ってて
すぐに連絡するから、そこに来てもらっていい?」

「うん、わかった」

ふたりで行くと目立つから?

タクシーの中で待つ事数分…
すぐに翔くんからメッセージが入った

タクシーから降り、スマホの画面を見ると…

「え?部屋の番号?」

そこにいるから勝手に入っていいとのこと

エレベーターに乗り込み部屋のある階数を押す

上昇していたエレベーターが目的の階に停まる

人気のない廊下を歩き翔くんから連絡のきた部屋の前で立ち止まった

「本当にここ?」

こんな高級ホテルの高層階の部屋…

少し不安を感じながらゆっくりとドアを開く

「えっ」

ドアのすぐ前で翔くんが笑顔で迎えてくれた

「誕生日おめでとう」

翔くんの両手には真紅の薔薇の大きな花束

その抱えきれないほどの花束を俺に差し出す

「あっ…ありがとう」

花束を貰ったことは何度もあるけど
こんな真っ赤な薔薇だけの花束を貰ったことなんてない

過去最高に嬉しい…

だって俺でも知ってるよ
紅い薔薇は愛を伝える時に渡す花だって

しかも赤は翔くんの色…それにこの部屋…

俺に翔くんをくれるって思ってもいい?

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