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take a breather

第15章 二人の記念日

『んぁ…さ、としさ…』

昨夜の翔の声がまだ耳に残っているのか…
甘い声に、寝ながらにして思わず頬が緩む

『あんっ…やめっ…』

ん?随分とリアルだな…

「あっ…ん…」

寝ぼけていた頭が急速に覚醒していく

目を開き、隣に眠る翔を見ると綺麗な澄んだ青い瞳と目が合った

「………」

「み?」

「またお前か、ブルー…」

翔の肩の辺りに座り首筋に顔を埋めてる黒猫のブルー

猫の成長は早いとは聞いていたが
ここに来た時にはまだ子猫だったブルーも
今ではベッドに飛び乗る事なんて容易に出来るようになった

「何度言ったらわかるんだ?
それはお前のエサじゃないから
舐めても美味くないだろ?」

「みぃ?」

「ほら、すぐにエサ用意するから
あっち行くぞ?」

「みっ」

俺がベッドから降りるとブルーもベッドから飛び降りた

キッチンへ行きキャットフードをエサ入れに入れリビングに戻る

「ほら、ブルー。メシだぞ」

「みゃあ」

床に置くとすぐにエサを食べ始めたブルー
夜行性の猫はエサを食べ終われば眠りにつく

「さてと…次は翔にお仕置きの時間かな?」

本当に何度言ってもわからないんだから
俺以外の奴に感じさせられちゃダメだって言ってるのに…

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