無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

翔がマグカップに口をつけ紅茶を啜る

「ん、おいしっ
カップが違うと一段と美味しく感じる」

「大袈裟だな」

「そんなことないよ
智も飲んでみなよ」

翔に勧められ俺もひとくち

「お？うまいな」

「でしょ？ね、ケーキ食べよ？
智はまたチョコケーキだね」

「翔だってまたチーズケーキだろ？」

「俺のはバスクチーズケーキだもん
いつもはレアだから違うよ」

「大して変わんねぇだろ？
チーズ味なんだから」

「違うって、食べてみなよ」

翔がフォークに刺したケーキを俺に差し出す

「あ〜ん…おっ？うまっ！」

「だろ？」

得意げに笑う翔

「ドヤ顔すんなや」

「してないし」

「してたよ」

「してない！」

「いいから、ほら、チョコ食えよ
こっちもうまいぞ？」

同じくフォークに刺して翔の口元へ

「ん…うまっ！」

「だろぉ？」

「ははっ…智もドヤ顔すんなよ」

「してた？」

「してたしてた」

可笑しそうに笑う翔…

今年の誕生日、ちゃんと楽しめてるか？

『誕生日はふたりでケーキを食べられれば良い』って言ってた翔

その通りの誕生日になったけど
嫌な思い出を思い出すことなく、楽しんでくれてる？