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take a breather

第17章 Love so sweet

「おっと、そうだ。これ誕生日プレゼント」

テレビ台の引き出しにしまっておいたプレゼントを取り出し、翔に渡す

「えっ!ありがとっ」

「こっちは市販の物にちょっと手を加えた」

「え〜、なんだろう?」

翔が楽しそうにラッピングの袋を開け
中身を取り出すと驚きの表情をした

「何これっ⁉︎」

「よく撮れてんだろ」

俺からのプレゼントは写真付きの写真立て

こちらは派手にならないように
木製のフレームにクローバーの飾りをボンドで貼り付けた

「いつ撮ったの…この写真…」

「いつだって撮れんだろ
お前、疲れたらすぐ寝ちゃうし」

その写真に写ってるのは
俺とその俺の腕枕でしあわせそうに眠る翔…

「俺がさ、最初にお前の部屋に行った日、覚えてる?」

「もちろん、覚えてるよ」

「あの時、写真立てが伏せて置かれてただろ」

「あれはっ…片付けようとしてたけど忘れてて…」

「別に責めてねぇよ?
でもお前『ここには新しい写真飾りたいから』って言ったまんま
何も飾らなかったんだよな…

それって、すぐに飾りたい写真があった訳じゃなくて
これから先、自分がしあわせになれたら
その時にしあわせな自分の写真を飾りたい、ってことなんじゃねぇかな、って思ったんだよ」

じっと俺の顔を見つめ話を聞いていた翔が
手にしている写真立てに視線を移した

「…うん、きっとそうだね…
無意識にそう言ったけど
あの時点では本当に智としあわせになれるかわからなかった…
だから、未来に向けての願望だったんだろうね」

「で、ここからは俺の願望な?
翔の願望が叶った、ってことで
この写真を撮ったんだけど
どう?その写真、ここに飾らね?」

翔がテーブルの上に写真立てを置いた

その写真を見つめ微笑むと
その表情のまま、顔を上げ俺を見つめた

「うん、飾る。
ちょっと恥ずかしいけど
今が人生の中で一番しあわせだから…」

「そっか…良かった…」

「ありがとう…智」

翔が俺の首に腕を回し抱きついてきた

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