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take a breather

第18章 君への想い

サービスエリアに着いて
お客様が全員バスから降りた後で僕と風ちゃんが降りた

バスの前にはお客様を送り出した翔くんが待っていてくれる

「さ、行こうか」

「うん」

3人で並んで建物に向かう

「ここは何が旨いんですか?」

「まぁ、普通にいけばやっぱうなぎだろうな
でも、アイスコルネットって知ってる?」

「アイスコルネット?ううん、知らない
風ちゃん知ってる?」

「いや、俺も知らないっす」

「コロネ型のパンを揚げて
それをコーン代わりにしてソフトクリームを入れるんだ」

「あっ!テレビで観たことある!
美味しそうだなぁって思って観てた」

「ふふっ、そう?
それがここで食べられるんだよ?
あれの発祥の地が浜松なんだ」

「へぇ〜、食べたい!」

「智ならそう言うと思った
うなぎなら東京でも旨い店あるけど
これはどこでも食べられる物じゃないからね」

「俺はうなぎでもいいっすけど…」

「じゃあお前はひとりでうなぎ食ってこいよ」

「なら、そうさせて貰おうかなぁ」

「え?ひとりで?
じゃあ僕もうなぎでいい」

せっかく一緒に来たのにひとりでごはんなんて寂しいよ

「あー、気にしないで大野さん
俺がわがまま言ってるだけなんで
ふたりで仲良くランチしちゃってください」

「でも…」

「智、風磨も子供じゃないんだから大丈夫だよ
その代わり、夜は3人で旨い物食おう
な?風磨?」

翔くんが風ちゃんにそう言うと
風ちゃんはニヤッと笑った

「もちろん、櫻井さんの奢りですよね?」

「あぁ、いいよ」

「え?なんで翔くん?
ご馳走するなら僕が…」

「あぁ、いいのいいの
ほら、風磨もう行けよ、うなぎは混むぞ?」

「アイアイサー」

走って建物に入っていく風ちゃん
本当に良いのかな?

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