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take a breather

第19章 ROMANCE

え…『知ってる』ってなに?

俺、今 告白したんだよ?
なのに知ってるって…

「智くん…俺の気持ち、わかってた?」

「うん。わかってた」

智くんの声が耳元で聞こえる

「いつ?いつ気づいた?」

「パレード見てる時…
手を繋いでくれただろ?」

「あれだけで?
手なんて誰だって繋ぐじゃん…」

智くんが体を少し離し、俺のことを見つめる

「翔ちゃんは誰とでも手を繋ぐの?」

こんな至近距離で見つめられたら嘘なんて吐けない

「…繋がない…智くんだから…」

「だろ?あれで翔ちゃんの気持ちが変わったのかな、って思ったんだけど
あの場の雰囲気に流されちゃっただけかも知れないじゃん
だから、もう少し様子を見ようと…
でも今日、俺と手を繋ぐの嫌じゃないって言ってくれたから
俺のこと好きになってくれたんだ、って確信した」

正解…俺の気持ちの動きを見事に読み取ってる

採点したら満点あげたいくらいだよ

今なら潤が言ったことが理解出来る…
クソガキとは言わないけど
年下のクセに生意気

俺よりも全然大人な対応で、余裕すら見える

なんかちょっと悔しいかも…

だからね、俺から意地悪な提案をした

「智くん」

「ん?」

「俺と同じ大学受かったら付き合おうね?」

「え”…今じゃないの?」

「今じゃないよ?
智くん言ったよね?俺と離れない為なら死ぬ気で頑張る、って…
だから頑張ろうね?受験勉強」

「マジか…」

ガックリする智くんを見たら少し気の毒になったけど
目標があった方が頑張れるよね?

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