a faint
第2章 white-night obsession
white-night
「トドメの一撃喰らうまで 誰にも触らせない このBODY」
そう居丈高に言い放って 腰骨をピシャンと叩く手と ニンマリ上がった口角の端。
咥えていた長煙管を 優美な仕草で指に挟み 少し尖らせた口唇の先から フゥと吹き出たのは細い紫煙。
ゆらゆらふらふら棚引いて そこいらを白く烟(けぶ)らせる。
「髪の毛一筋だって 渡しゃしない。だから……」
立てた人差し指で 俺の顎先を掬い上げ 舌舐めずりして
”……とことんまで付き合ってよ darling”
悪い微笑みを浮かべて誘うクセに身を翻す…その変わり身の早さ 畏れ入る。
堕ちないオンナ 食えないオトコ。
キリリと冷えたシャンパンとホロリと甘苦いオランジェット。
フロアを行き交う男娼と泡銭をばら撒く下種い成金。
漆黒の真珠にゴールドのハイヒール。
転がるダイス 回るルーレット。
ゾロ目のスロットマシンから溢れたコイン。
「……ねぇ?」
しなだれる薄い身体とセクシーな掠れ声。
ヤニ臭いのが 玉に瑕(きず)
堪らず腰を引き寄せ 首筋に舌を這わせば か細い後れ毛が仄かに揺れる。
配られた手札 伏せた切り札。
スペードのjack ダイヤのqueen kingにjoker エトセトラ。
ブタを掴んで 役を放つか
役を握って ブタを放るか
「……ね 遊ぼ?」
スルッと首に巻き付く腕は まるで蛇。
テラテラと光る濃紫の口紅に ヤらしい含み笑いを浮かべ
”さぁ どうする?”
投げて寄越されたのは思いの外 鋭い視線。
狡(ずる)にイカサマ なんでもござれ。
オマエが『Schwarzwald』(この世界)のルール。
行き着く先が地獄煉獄何処であろうと オマエが一緒ならば望むところだ。
何を企む? 何を欲する?
お望みならば その完璧なポーカーフェイスに トドメの一撃 喰らわしてやる。
だから さっさとそのBODY(からだ)ごと 俺の手に堕ちてきやがれ。
「トドメの一撃喰らうまで 誰にも触らせない このBODY」
そう居丈高に言い放って 腰骨をピシャンと叩く手と ニンマリ上がった口角の端。
咥えていた長煙管を 優美な仕草で指に挟み 少し尖らせた口唇の先から フゥと吹き出たのは細い紫煙。
ゆらゆらふらふら棚引いて そこいらを白く烟(けぶ)らせる。
「髪の毛一筋だって 渡しゃしない。だから……」
立てた人差し指で 俺の顎先を掬い上げ 舌舐めずりして
”……とことんまで付き合ってよ darling”
悪い微笑みを浮かべて誘うクセに身を翻す…その変わり身の早さ 畏れ入る。
堕ちないオンナ 食えないオトコ。
キリリと冷えたシャンパンとホロリと甘苦いオランジェット。
フロアを行き交う男娼と泡銭をばら撒く下種い成金。
漆黒の真珠にゴールドのハイヒール。
転がるダイス 回るルーレット。
ゾロ目のスロットマシンから溢れたコイン。
「……ねぇ?」
しなだれる薄い身体とセクシーな掠れ声。
ヤニ臭いのが 玉に瑕(きず)
堪らず腰を引き寄せ 首筋に舌を這わせば か細い後れ毛が仄かに揺れる。
配られた手札 伏せた切り札。
スペードのjack ダイヤのqueen kingにjoker エトセトラ。
ブタを掴んで 役を放つか
役を握って ブタを放るか
「……ね 遊ぼ?」
スルッと首に巻き付く腕は まるで蛇。
テラテラと光る濃紫の口紅に ヤらしい含み笑いを浮かべ
”さぁ どうする?”
投げて寄越されたのは思いの外 鋭い視線。
狡(ずる)にイカサマ なんでもござれ。
オマエが『Schwarzwald』(この世界)のルール。
行き着く先が地獄煉獄何処であろうと オマエが一緒ならば望むところだ。
何を企む? 何を欲する?
お望みならば その完璧なポーカーフェイスに トドメの一撃 喰らわしてやる。
だから さっさとそのBODY(からだ)ごと 俺の手に堕ちてきやがれ。