
君はぼくの全て
第2章 課外授業 1
さりげなく智を盾にしながらB棟に着いた
後は校舎の角を曲がれば怖ーい先輩たちのオアシス
どうかまーくんいませんように
恐る恐る
…智の背中をグイグイと押して先に行かせる
「あれ」
いない
つか、まーくんどころか誰もいない
「いないね」
何て言うか、かなり気合い入ってた(?)からいないのは嬉しいのに拍子抜けしちゃった
「うーん…あとはどこ…あ、」
ポケットのスマホが震えた
こんな時間に鳴るとすればほぼ間違いない
《どこにいるの?》
やっぱりまーくんからのライン
「智っ、俺戻るね!」
「へ、あ、ちょ、にの…!?」
智を振り返る事もせず《教室向かう!》とだけ急いで返事をして走り出したから
まさか智が取り残されて、先輩たちにいじくられていたなんて知る由もなくて
智がよれよれになって戻って来ながらも「殴られなくて良かったぁっ」と潤くんに泣きついたおかげで、俺はがっつり潤くんに怒られた
