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君はぼくの全て

第2章 課外授業 1


「あの子達の手前怒っただけで、かずを嫌いになんかなるわけないでしょ?」

髪の毛を鋤くように撫でる指が優しい
いつもの、あったかいまーくんの指にホッとする

そして

まーくんが「もう、泣かないの」って俺のおでこにちゅーをしてくれる

「でも、やっぱり女の子より力はあるんだからね?口で言わなきゃ」

…そうかなぁ?
あの女子たちだったら俺のが負ける気がするんだけど…

そりゃ、インドアだからって凄いひ弱って訳じゃない、つもりではいるけど

でももうまーくんの怒った顔なんか見たくないから、ここは素直にしておこう

「ごめんね、まーくん」
「…俺に謝ってもしょうがないけど、ま、いっか」

ポンポン、と頭を撫で(?)られて思わず頬が弛む

こういうとこは、同い年なのに背の違いで小さい子ども扱いされてる気がするけど

…それもこれもまーくんだから何でも嬉しい

「帰ろ」
「うんっ」

まだ明るいけど、くっついていたくて手を繋ぐ

軽くきゅっと握ってくれるまーくんの手を、さらに強く握り返して

いつもよりゆっくりと、帰り道を並んで歩いた




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