
君はぼくの全て
第2章 課外授業 1
まーくんが怒った
たったそれだけでこの世の終わりみたいな気持ちになる
だってまーくんはいつだって優しくて、ニコニコしてて、俺を1番に考えてくれてたから
掴まれた腕は、痛くはないけど離れないくらいの強さで
「ぅえ…っ」
泣きたくないのに、絶望感に涙が溢れだす
「え、か、かず?何で泣いてるの!」
えぐえぐ言い出した俺に、まーくんが焦った声を出した
何でって、そんなの決まってるじゃんかぁ!
「だってまーくんが怒った…っ、お、おれ、のこと、きら、いになっちゃ…」
ドバドバ流れる涙と鼻水で上手く喋れない
そもそもさ、まーくんって別に凄くモテるタイプじゃなかったはずなんだよ?
なのに、何故か3年になってから声を掛けられる事が増えて来て、ずっと不安だったんだ
そのフラストレーションが積もり積もった所に、さっきの肉食女子が来たもんだから、俺も威嚇だけじゃ抑えられなくなったんだもん
「嫌いになんかなってないよ?」
「でも、俺、やな、やつ、だったよ…?」
「反省してるんでしょ?」
まーくんはそう言って、掴んだ腕を離すと頭を撫でてくれた
