
君はぼくの全て
第3章 卒業
状況が状況だからしんみりする事なく、しばらく4人でしゃべって
次は入学式だね、と別れた
そして俺はまーくんと隣同士、ゆっくりと歩く
人通りが多いから手は繋がないけど、歩く度に小指が触れる距離で
「引っ越し準備、どう?」
「うん、もう殆ど終わってるよ。まーくんは?」
「俺は…まだ全然」
帰宅部だった俺と違い、まーくんは受験後にも合格したからと部活に良く顔を出していたからね
仕方ないよね、それは
「手伝おっか?」
それを口実にまーくんちに入り浸れるし、なんて下心ありありで見上げたら
「いや、大丈夫」
あっさり言われてちょっと拗ねたくなった
唇を尖らせたのに気付いたまーくんが苦笑する
「そういう顔しないの。楽しみはギリギリまで取っとこう」
「うん……あ、ねぇ」
「ん?」
「俺、まーくんのお嫁さん?」
一緒に住んだら、恋人じゃ足りない。それに小さい頃からの、俺の夢
「女の子じゃないのに?」
まーくんがおかしそうに笑う
