
ひなたぼっこ~PerfectRomance~
第1章 ひなたぼっこ
冷蔵庫から冷却シートを取りだして、少し足早に相葉さんのとこに戻る
「これ、首の後ろと脇に貼るから」
ペリペリと透明部分を剥がしながら、有無を言わせずに首を上げさせてまずはそこに1枚。そして後2枚をそれぞれ脇の下に貼った
「あ、気持ちい。…けど、おでこには貼らないの?」
「うん。前に調べたら、首とか脇がいいんだって。後、太ももの付け根」
「え、そこはぜひ太ももの付け根にかずの手で」
「ばーか!」
熱があるくせに、なんなら昨日いっぱいしたくせに、そうやってからかう元気はあるのかよ!
…っと、ウダウダしてる場合じゃない。支度しなきゃ、遅刻する
ちらっと時計を見て「おとなしく寝ててよ」と立ち上がった途端
「え、行っちゃうの?」
…どうしてそう、弱々しい声を出すの
休んで傍にいたくなっちゃうじゃないか
でもそこは心を鬼にしないと、本当の鬼の方が何倍も怖い
たかだか熱くらいで大人なんだからふざけんな!と言われるのは火を見るより明らかだ
「寝てれば大丈夫なんだから、甘えんな」
「……はい」
しんどいのは本当なんだろう。相葉さんはそれ以上食い下がる事なく、おとなしくなった
