
ひなたぼっこ~PerfectRomance~
第1章 ひなたぼっこ
手早く身支度して、だめ押しに「おとなしく寝ててよ!」と伝えて家を出る
まあ、病人なのは確実だから、せめてもの甘やかしで相葉さんのおでこに軽くキスはしてあげた
口を避けたのは、風邪だったら移ると困るから
だってもしこれで俺が熱出して相葉さんから移ったなんて櫻井さんたちに知られたら、何を言われるか考えるだけで恐ろしいもん
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「お、おはよー!」
エントランスを出てほどなくして、後ろから声を掛けられた
この声は大野さんだ
「おはようございます」
「あれ、雅紀は?」
振り返って、俺の挨拶が終わるのを遮るように櫻井さんが俺の周りをキョロキョロと見渡すのが分かった
「熱出して、寝てます」
「マジか」
櫻井さんより早く、大野さんが驚いたように目を丸くする
そんなに珍しいかな、熱出すの……あ、まあ相葉さんは「元気が取り柄」みたいだからかな
「はい。会社には連絡するって言ってました」
「そんなの俺に言えばいいのにー」
いやいやそこは社会人としてけじめってものが…、と思うけど、大野さんはきっとそういうのを気にしない気がするから、曖昧に笑ってごまかした
