
友達のままがいい
第6章 未来
「手を繋いで帰る道のりはドキドキした。友達につきあってるの?なんてからかわれると恥ずかしかったけどうれしかった…則ちゃんの傍にいられるだけで幸せだった…」
「俺もだよ…手を繋いでドキドキしないわけがない。友達に付き合ってる?って言われてそうだよって言いたかった…」
だけどそうすることはなかった。
お互いに恥ずかしがって、自分たちの心に蓋をして今まできてしまった。
本当はどちらかが勇気を持って気持ちを言葉にしていたら、もっと早くつきあえていたのかもしれない。
「俺たちって馬鹿だよな。お互いに好きなのに他の人とつきあったりして遠回りしたんだな…」
「そうだね…傷つけなくていい人…いっぱい傷つけちゃった…」
慶介に康臣さん、則ちゃんを好きだと分かってもつきあいを続けて傷つけてしまった人たち…
「そうだな…それでも、一時はちゃんと好きだった…ただそれ以上に文香が忘れられなかった…それだけ俺…文香が好きで仕方がない…やっとの思いで心が通じたんだ…これから先、手を離す気はない…文香…」
