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友達のままがいい

第6章 未来

片思いが長かった分、相手が自分を好きだと信じることが難しいんだと思う。
こんなにも簡単に気持ちが通じるなんて思ってもいなかったから。

「私が好きな人は慶介じゃない。今、目の前にいる則ちゃんなんだよ。ずっと…幼い頃から好きだったのは篠崎則孝なんだよ」

真剣に言葉にすれば気持ちは伝わる。
私がどれだけ則ちゃんの事が好きなのか、そして今がどれだけ幸せか分かってほしい。

「俺も…幼い頃から好きだったのは文香だ…文香が俺の事を好きだと言ってくれた瞬間―――――俺の初恋が叶った瞬間だったんだ」

「えっ…わっ…私も!!私も初恋が実ったんだよ。」

私が初恋だと言われて、同じだと思うと嬉しくて興奮して言葉にした。

「私の初恋の相手も則ちゃんなんだよ…則ちゃんが入院している時に数人でお見舞いに行った時に、辛そうなのに笑っている則ちゃん見て…気になったの…それから則ちゃんを目で追うようになって…いつの間にか好きなってた…」

当時を思い出しても鮮明に思い出せる。
ベッドの上で辛そうに笑う表情も、私が泣くと一緒に泣いた涙も…色褪せることなく思い出せる。

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