テキストサイズ

友達のままがいい

第6章 未来

気だるさを感じ目が覚めると、則ちゃんにがっちりと抱かれ身動きが取れない自分がいた。
その姿に、夢ではないんだと安堵する。
昨日の夜、初めてを則ちゃんに捧げた。
別にこうなることを見越して処女だったわけではない。
いや…こうなることを望んでいたのかもしれない。
私もいい年…それなりに彼氏もいたし、そういうチャンスもあった。
だけど最後の最後で拒んでしまう。
始めは高校の時のトラウマかとも思った。
そう自分に思い込ませていた。
だけど本当は違ってた。
本当は…ずっと則ちゃんとこうなりたかった
最初は則ちゃんにささげたかったんだと気が付いた。


彼の背中に腕を回し、改めて則ちゃんの存在を確かめる。
裸の則ちゃんに頬ずりをしていると、抱かれている腕に力が入った。

「どうした…?」

眠っていると思っていた彼の声が甘く聞こえる。
その声でさえ今の私には刺激が強すぎてドキドキする。

「んっ…夢じゃないんだなって思って…」

「うん。夢じゃない…俺はここにいる。ずっと文香の側にいる。」

ぎゅっと私を抱きしめ耳元でささやいてくる。

「文香…初めてをありがとう…そして、俺が最初で最後の男になるから…だから、ずっと側にいて…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ