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友達のままがいい

第3章 (過去)中学生


「ねぇねぇ、誰か好きな人いる??」

「私は隣のクラスの樹(いつき)くんが好き!爽やかでいいよね。」

「わかるぅ~私はね。6年生の三田村先輩がかっこよくて好き!!」

「私も三田村先輩好きぃ。この前なんて、ハンカチ落としたら走って届けてくれたの。そのハンカチ宝物だよ」

「え~~!!いいなぁ~。私も三田村先輩が触ったもの宝物にした~い」

放課後の教室で好きな男の子の話で盛り上がるのは乙女の特権。
カッコいい子、やさしい子、おもしろい子。
みんなそれぞれ理由をつけて、自分の気になる男の子の名前を挙げキャアキャァ騒いでいる。
私も例外ではなく、ずっと気になっている彼の名前を口にした。

「私は則孝くんかな?とっても優しいし面白いの」

「やっぱり文香もそう思う?クラスの中では断然篠宮くんが一番だよね。」

「この前なんて、廊下で泣いている1年の子を教室まで連れて行ってたよ。そういう優しい男っていいよね。かっこいいだけじゃなくて男は優しくないとね」

「それ言えてる~~」

みんなが則孝くんのことを褒めてくれるから自分のようにうれしかった。

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