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友達のままがいい

第3章 (過去)中学生

ちょうどその時チャイムが鳴り響き、3人のため息が重なり合ったような気がした。
則ちゃんは『残念』とつぶやいて彼女の手を引きながら校舎に戻って行った。
あとに残されたのは私だけ。
見てしまった恥ずかしさと良く分からない感情に、下を向いた瞳からは涙がとめどなくこぼれ落ちていく。
拭っても拭っても落ちていく涙は止まることはなく、そこから動くことができなかった。
涙を流しながら脳裏に浮かぶのは二人がキスをする姿。
何度も何度も角度を変えながら舌を絡ませる姿が消えずにこびりつく様に残って私の心を苦しめる。
そして、則ちゃんのあんな優しい声を聞いたことがない。
あんな優しい声で私も愛していると言って欲しいと…知らず知らずに思っていた…

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