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友達のままがいい

第3章 (過去)中学生

あの日から、校舎裏には行けなくなった。
あの場所に行けばふたりがキスをしていた事を思い出すし、もしかしたらまた来るかもしれないと思うと自然と足が遠のいた。
教室にも校舎裏にも居場所がなくなった私は違う場所を探し、一人でお弁当を食べる日が続く。
それからどのくらい過ぎただろう…
一人で過ごすことにも慣れた頃に2人が別れたと噂で聞いた。
正直うれしかったしホッとした。
だけど、別れて辛い思いをしているのにそれを喜ぶなんて、なんて性格が悪いんだろうと自分が嫌になった。
それでも、もしかしたらと淡い希望を胸に抱き始めた時、ある噂が流れ出した。
その噂に耳を疑い信じられなかったけど、噂は噂を呼び、どんどん膨れ上がっていく。

「妊娠させて無理やり中絶させたらしいよ」

「え~…私は数人で無理やりヤッたって聞いたよ」

「私は暴力ふるって監禁したって聞いた」

「どれにしたって―――」

「「「最低!!」」」

そんな風に話が膨れ上がり根も葉もない噂が学校中に広がった。

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