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友達のままがいい

第3章 (過去)中学生

謹慎が解けて一ヶ月過ぎても則ちゃんが学校に現れることはなかった。
一ヶ月も過ぎれば噂は全て消えて、何もなかったかのように静かな日常が続いていた。
だけど私は、時が過ぎるほどに則ちゃんの事が心配になり、久しぶりに則ちゃんの家に行くことに決めた。
小学校の時は毎週のように遊びに行っていた家に3年ぶりに足を向けると緊張でドキドキが止まらない。
私が顔を出したら則ちゃんはどう思うだろう。
良く来てくれたねって歓迎してくれるだろうか??
それとも今更何の用だ??って追い返されるだろうか?
色々な想いが湧き上がりは消えた。
そんな事を思いながら則ちゃんの家までの道のりを歩いていると、いつの間にか家の前に到着した。
何も変わることのない則ちゃんの家に、たった3年なのに懐かしさを感じた。
そして楽しかった小学生の頃の記憶がよみがえる。
好きだった則ちゃん。
何を求めることもなく、そこにいるだけで好きだった。
それだけで満足していた遠い記憶。

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