
友達のままがいい
第3章 (過去)中学生
「そうか?…でも、こうやって話すのも久しぶりだよな」
「そうだね…入学した当時は良く一緒にいたけど、それぞれ新しい友達とかできちゃったからね。あの頃の他の男友達とも会ってなかったの?」
「ああ。3年になって同じクラスになった奴もいたけど、なんとなくなぁ~それぞれの友達も違うから…そんなもんじゃない?」
その言葉に、そっかぁ~と少し寂しくなる。
あんなに一緒にいたのに今は話すこともない。
それは私も同じで、それが則ちゃんを孤立させる一因にもなった…
「えっ??これまだもっててくれてるの?」
あまり話が弾まず、何を話そうかと考えていると目に留まったものがあった。
「捨てられるわけないだろう?文香たちが必死に作ってくれたものなんだから」
こんな物をまだ持っていてくれていると分かって目頭が熱くなった。
則ちゃんの中には私たちはいたのだと言われているようでうれしかった。
