
友達のままがいい
第3章 (過去)中学生
「これね。最初に言い出したのは美鈴(みすず)なんだよ。別れ別れになってもずっと友達だよって…何か証が欲しいねって女の子だけでつくったの…ちゃんと持っていてくれてうれしい…」
それはミサンガ。
それぞれを色に見立てて、離れることの無いようにと編んだ一生友達だという証。
そんな気持ちを込めて女の子4人で編んだ宝物。
それを今でも大事に持っていてくれた事がなによりもうれしかった。
「クラスが離れて話すことがなくなってもさ。これを見ると楽しかったことを思い出してた…あの時のように話せて遊べたらなって…いつも思ってた」
「…うそっ…」
「何がうそなんだよ」
ついつい出た言葉に則ちゃんは不満げな顔をした。
「だって…則ちゃん、私のクラスに顔を出しても話しかけてこなかったし、もう関わりたくないのかと思って…」
「ちげ~よ!!」
私の言葉に則ちゃんは慌てて否定した。
